事業の趣旨・目的

ICTの急速な進化(ハードウェアの高性能化・大容量化、モバイルデバイスの普及、通信環境の進展、GPSやデジタルビデオ網等のインフラ整備、IoTの進展等)により、ユビキタスネットワーク、クラウドコンピューティング、ビッグデータとAI、SNS等が出現し、社会のあり方を大きく変化させている。これに伴いIT技術者に求められる能力も大きく変化している。

一方、専門学校等の職業教育機関は、これまでの教育課程では、激しく変化する情報技術や人材ニーズへの対応が難しく、産業界と連携した教育が課題となっている。ICTのような技術進歩の著しい分野の人材育成は、最新技術や社会のニーズ、最前線の企業動向等を把握して、数年先に求められる人材像を常に想定しておく必要がある。そのためには、産業界と緊密な関係性を構築し、教育活動への協力と参画を依頼し、連携の維持・継続を図ることが重要である。

ICT関連で最も多くの人的資源が求められるところはソフトウェアの開発や利活用の分野である。中核的IT専門人材を求めている主要な業種・業務内容として、「情報システム開発」「ビッグデータ活用」「セキュリティ対策」の3カテゴリを切り口に、それぞれについて企業および業界団体、振興支援を行っている行政機関と専門学校や大学・大学院等の教育機関が協力して、教育効果が高く、長期にわたって持続的に発展・継続できる産学連携教育体制を構築する。

具体的には、カテゴリごとに将来の技術動向および人材ニーズを把握し、5年後の育成人材像と産学連携教育のありたい姿を明確にする。産業界との連携を中心とした職業教育の目標とビジョンを設定し、目標達成のために必要な教育プログラムや教材、産官学が果たすべき役割や連携のあり方、効果的な教育を行うための体制や手法等について、検証を行いながらガイドラインを作成する。

全体計画および年度計画の実行のために、必要であれば教育プログラムや教材の開発、教員研修等を行いながら、産学連携教育の実証を行い、Doing、Doneの状況を確認・評価しながら、Plan、Actionの再構築を柔軟に行ってこととする。最終的には、事業実施状況を整理して、産学連携教育体制の構築から効果的な産学連携教育の継続につながる体制を構築する。

 

事業を実施する上で設置する会議

会議名① IT分野人材育成協議会
役割・目的 ・事業目的および内容の承認    ・事業の進捗管理   ・事業結果の確認   ・事業会計の監査
検討の

具体的内容

・事業計画書記載の目的および内容
スケジュール等の確認・調査研究委員会および人材育成ワーキングを組織・調査研究委員会および人材育成ワーキングの
事業内容の承認・調査研究委員会および人材育成ワーキングの
事業進捗の管理・調査研究委員会および人材育成ワーキングの
事業報告の確認・事業会計の監査
委員数 10人 開催頻度 年2回
【構成員】
所属・役職
一般社団法人全国専門学校情報教育協会
吉田学園情報ビジネス専門学校
情報科学専門学校
大阪工業技術専門学校
株式会社ユニバーサル・サポート・システムズ
株式会社日本教育ネットワークコンソシアム
一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
一般社団法人Rubyビジネス推進協議会
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
経済産業省近畿経済産業局

 

 

会議名② 調査研究委員会
目 的 ・調査活動   ・調査内容の発表   ・調査報告書の作成
検討の

具体的内容

・調査仕様書の作成、・調査先の選定、・訪問によるヒアリング

・先行研究および同類調査レポートの収集およびそこからの知見抽出

※海外動向の情報収集および海外文献の収集を含む

・各カテゴリの中期計画ゴールの育成人材像 およびビジョンの検討

会議での議論結果の

活用方法

・調査結果の情報共有および発信

・人材育成協議会の組織化

・調査結果から概ね5年先の「情報システム開発」「ビッグデータ活用」「セキュリティ対策」の3カテゴリにおいて育成すべき人材に沿った教育プログラム開発・実証検証を行うためのワーキングについて提案する。

・人材育成協議会への提言および情報提供

・概ね5年先にIT産業界に求められる人材について、IT分野人材育成協議会に調査の結果を踏まえ、「情報システム開発」「ビッグデータ活用」「セキュリティ対策」の3カテゴリの人材育成領域・範囲等を提案する。また、実践的なIT分野職業教育のための産学連携教育の在り方を実証を通して検証し、効果的な産学連携体制の提案を行う。

・シンポジウムでの発表
実証検証の結果、効果的な産学連携教育の内容の取組み拡大・活用を促進するため、その内容をシンポジウムを通して発表する。

委員数 7人 開催頻度 2回
【構成員】
所属・役職
大阪商業大学 総合経営学部
流通経済大学 経済学部
大阪経済大学 経営学部
尾道市立大学 経済情報学部
広島修道大学 商学部
有限会社Aries
株式会社ユニバーサル・サポート・システムズ
株式会社日本教育ネットワークコンソシアム

 

実施する調査等(目的、対象、手法、調査項目の概要を記載)

  • IT技術動向調査

1)目的
「情報システム開発」「ビッグデータ活用」「セキュリティ対策」の3カテゴリのそれぞれについて、概ね5年程度先(2022年度)に最も多くの需要が見込まれる人材像の明確化を目指して、現時点およびその時点のICTの活用環境や技術内容をできるだけ正確に把握および予測するため。
5年間において変化が大きいと予想されるICTの活用環境や技術内容については、その変化動向の本質を理解し、潮流が本物であるかどうかを多面的に検討し、10年先でも変わらず必要とされる能力・資質等についても提示できるようにするため。

2)対象
・アンケート
IT企業(情報サービス産業協会等に所属する企業)
北海道、首都圏、大阪(関西圏)、福岡等の大中都市のIT企業 800社程度
・ヒアリング
各カテゴリの最前線で先進的な事業活動を行っている企業、および大学・大学院や企業等の研究機関、すでに同様の調査・研究を先行して行っている組織等、5箇所を予定。
・文献調査(海外動向レポート及び海外文献等含む)
行政および調査・研究を先行して行っている組織等が公表している調査結果やレポート等。海外のIT技術動向レポートや研究論文等。

3)手法
アンケート及びヒアリング、インターネット等での文献収集
アンケート調査・・・アンケート用紙送付、Webアンケート。
ヒアリング調査・・・大学教授等や企業等、調査研究委員会メンバーより、適切な調査対象先を抽出し、ヒアリングを行う。3カテゴリで技術要素が重複する可能性も考えられるので、ヒアリング内容のレビュー機会を作り密な情報共有を図る。
また、事務局を中心に、先行研究や調査結果を調べ、ヒアリング内容の補完を図る。

4)調査項目
まず、調査仕様書を作成することから始めるので、調査項目は事業開始後に定める。
原則として、企業および業界団体に対しては、現時点で最も受注している量の多い仕事内容と増加傾向にある仕事内容およびそのトレンド、それを支える技術要素と技術者の過不足を調べることになる。研究所や大学・大学院の研究者等に対しては、現時点での最新の技術動向および必要とされている技術要素を調査することになる。


取組の年次計画

<29年度>
◆IT技術動向調査
目的:
・カテゴリ別の5年先の必要技術、人材
・ICTの活用環境や技術内容の予測、
・人材に必要となる能力・資質
手法:アンケート調査、文献調査、ヒアリング調査
分析:・産学官連携教育の課題抽出、・産学連携教育の方向性検討、・IT分野 カテゴリの課題抽出、・今後の日本の情報産業の方向性人材育成の方向性の明確化
◆次年度に向けてカテゴリごとに人材育成
ワーキングの設置準備(構成、体制等)<30年度>
◆カテゴリ別人材育成ワーキング設置
◆中期計画の検討~策定
各カテゴリ 「育成人材像」と「産学連携教育」のありたい姿を構築するための計画を作成する。
◆産学連携教育の内容提示・構築準備
平成31年度までに実現する産学連携教育体制構築のための準備
◆産学連携教育の実証準備~実証
カテゴリごと実証の概要を決定する
・実証する地域、・実施専門学校、・協力企業、・スケジューリングや役割分担、
・実施に必要な準備等、・実証の評価マニュアル
◆継続的な組織体制の検討
産学連携による職業実践的な教育を継続・拡大するための組織体制の検討を行う。<31年度>
◆産学連携教育実証および評価
産学連携教育の実践を通して、本事業の策定内容を実証するとともに産学連携体制の効果を計測し、評価する
◆中期計画(完成版)
この先5年程度のIT分野における人材育成について中期計画を策定する
今後、求められるIT人材の知識・技術・素養等を取りまとめるとともに産学連携教育体制の指針となるものとする
◆効果的な産学連携教育の実施につなげるガイドライン作成
実証等を通して、産学連携教育を実施するための方法や手順を明らかにしたガイドラインを作成する。
◆産学連携教育の地域展開、分野横断、事業継続を推進する仕組み
本事業の成果を地域で展開する方向性や分野横断的に活用でき範囲等を明確にし、活用を促進するとともに事業を継続的に推進する仕組みを構築する

 

 

事業の実施に伴い得られる成果物

(成果報告書を除く)

<29年度>
◆調査報告書
◆シンポジウム実施報告書

 <30年度>
◆カテゴリごとに「育成人材像」と「産学連携教育」のありたい姿を達成するための中期計画
平成31年度に実現したい産学連携教育の内容の提示
実証する地域、実施専門学校、協力企業、スケジューリングや役割分担、実施に必要な準備等
◆実証の評価マニュアル

<31年度>
◆産学連携教育実証報告書および評価報告書
◆中期計画(完成版)
◆効果的な産学連携教育の実施につなげるガイドライン

 <その他>
◆産学連携教育の地域展開、分野横断への活用、事業継続を推進する仕組み(組織体制)