受託事業名

福岡県をモデルとしたクラウド時代の
ITビジネスクリエータ地域版学び直し教育プログラムの拡充と展開タイトル

 

受託校

学校法人 麻生塾
麻生情報ビジネス専門学校

 

本年度事業の趣旨・目的等について

 

事業の趣旨・目的

IT技術は、様々な業務・業種に利活用され、課題解決や変革の可能性を有しており、成長力の基盤となる生産性の向上ばかりでなく、経済再生や社会的課題解決にも大きく貢献することが期待されている。その構築・運用等を担うIT分野中核的専門人材養成は最も重要な課題である。

ユーザー企業はクラウド関連サービスやタブレットPC等の出現により、それらを顧客サービスに活用することを求めることなどから、IT産業、IT人材を取り巻く環境は大きく変化している。

今後、IT企業では顧客からの仕様を再現するだけの受託開発だけではなく、専門性を生かした提案型の開発を行うことで競争力を高めることや顧客からの要求に対してスピード感を持った開発が必要である。

本事業は、こうした環境変化やニーズの対応することができる人材育成を社会人学び直し教育プログラムとして開発し検証する。

 

②養成する人材像

・既存システムの機能把握と他の業種の要求事項を分析し、効率よくシステムを改版し提案することができる人材。

・アジャイル開発とモデル駆動型開発手法を習得しスピード感のある開発力ができる人材。

 

事業の実施内容

 

会議

実施委員会
目的: プロジェクト全体を統括し、安全に事業を推進する。
具体的内容: ①事業方針検討
②予算執行管理
③委員会検討事項に対する指導・助言
委員数: 10人
開催回数: 年2回予定

 

開発委員会
目的: 本年度開発教材等について開発を担当する。
具体的内容: ①シナリオ型システム開発教材(イテレーション追加版)の仕様検討
②改版提案グループワーク教材の仕様検討
③①②の教材に関する印刷仕様検討
④講座、セミナー、成果報告会等の講師およびそのアテンド
⑤ホームページ開発
⑥その他本事業が必要とする開発に関すること
委員数: 5人
開催回数: 年3回予定

 

検証委員会
目的: 本事業で開発する教材を検証すること及び講座等を企画する
具体的内容: ①開発委員会が開発する教材等の講座実施事前検証企画
②開発委員会に対し事前検証結果のレビュー作成
③講座、セミナー、成果報告会の企画
委員数: 7人
開催回数: 年3回予定

 

 

開発する教育プログラム①

シナリオ型システム開発教材

開発する教育プログラム(又は教育カリキュラム)の全体的な骨格

 

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【開発教材の概要】
・追加教材のテーマは、平成28年度の受講者からの要望が多かったモバイル対応など複数のイテレーションの追加を行う。
・アジャイル開発とモデル駆動型開発を体験し、スピード感のある開発力を身に付ける。
・複数のシステム開発事例で発生する顧客からの改版要求を、モデル駆動型システム開発を用いてシステムの修正およびテストを繰り返すことでアジャイル開発の一連の流れを理解する。
・クラウド環境で実現された開発環境を利用した開発とテスト方法を習得する。
・実習時間は10時間程度を追加し、コンピュータを使用した演習形式の教材とする。
・スピード感のある開発を検証するために、受講前後の開発工数変化を定量的に計測することができる評価シートを開発する。

開発に際して実施する実証講座の概要

  【実証講座の対象者】
・IT企業で働いている者
・過去にSEやプログラマーとして働いていた者

【実証講座】
①平成28年度開発教材を利用した実証講座
場所:札幌、高松
時期:平成29年6~7月
期間:1日4時間
手法:スクーリング+実習
受講予定:1講座あたり10名

②平成29年度開発の追加教材を利用した実証講座
場所:福岡、沖縄
時期:平成29年11~12月
期間:1日3時間
手法:スクーリング+実習
受講予定:1講座あたり10名

【受講者のうち就業、キャリアアップ、キャリア転換につながる者の目標人数】
40人

・教育プログラムの有効性に関する検証手法

 

【評価シート】
従来の開発とモデル駆動型開発で同じものを開発する場合の開発工数の見積もりを数値化し受講前後の効果を比較する。

【アンケート等】
教材内容の理解について、講座終了後にアンケートを取り検証する。

 

開発する教育プログラム②

改版提案グループワーク教材

開発する教育プログラム(又は教育カリキュラム)の全体的な骨格

  ・ある顧客向けに開発されたシステムを顧客からの要求や販路拡大のために、他の業種向けのシステムへ改版提案する手法を学習する。
・既存システムの機能把握と他の業種の要求事項を分析し、効率よくシステムを改版するための提案方法を学習する。
・デザイン思考に基づいた分析手法を身に付ける。
・10時間の講義および演習

開発に際して実施する実証講座の概要

 

【実証講座の対象者】
・IT企業で働いている者
・過去にSEやプログラマーとして働いていた者

【実証講座】
①平成28年度開発教材を利用した実証講座
場所:札幌、高松、福岡
時期:平成29年11~12月
期間:1日4時間
手法:スクーリング+グループワーク
受講予定:1講座あたり10名

【受講者のうち就業、キャリアアップ、キャリア転換につながる者の目標人数】
40人

・教育プログラムの有効性に関する検証手法

 

【発表会】
講座実施したことにより出来上がったプランの発表を行い、受講者の振り返りや他プロジェクトの成果を共有するとともに、教材の検証を図る。

【アンケート等】
教材内容の理解について、講座終了後にアンケートを取り検証する。また、教材の内容等については、受講者から意見を聴取し改善を図る。

 

事業実施に伴う成果物

 
 

■シナリオ型システム開発教材(イテレーション追加版)および評価シート

目的:システム開発シナリオを経験することでスピード感のある開発力を高める。
規模:1シナリオにつき60分授業×5回分2パターンのシナリオを開発。
内容:2パターンのシナリオに則ったシステム開発を経験する。
形態:スクーリング+実習
評価:評価シート、アンケート

■改版提案グループワーク教材

目的:既存システムの機能把握と他の業種の要求事項を分析し、効率よくシステムを改版するための提案方法を身に着ける
規模:1改版提案を60分授業×5回で完結 2顧客を想定
内容:業種・業態の違う2パターンの顧客に対する改版提案を経験する。
1顧客につき60分授業×5回で完結(4回検討、1時間プレゼンテーション)
形態:グループによる改版提案作成およびプレゼンテーション
評価:発表会実施、アンケート、聞き取り調査

■ホームページ

本事業の内容や成果物を掲載する。

 

本事業終了後の成果の活用方針・手法

 

IT技術の進化、変化は急速に進むことから、「モデル駆動型開発」「アジャイル開発」といった本事業のテーマはもちろんのこと、新しい技術を地域に広めていくための体制を産学で組織し継続させていくことが最も重要なことであると考える。

1.一般社団法人福岡県情報サービス産業協会と連携した普及活動

①福岡県のIT企業で受託開発から企画提案開発での売り上げ増加を目指す企業へ人材育成支援
②福岡県のIT企業でアジャイル手法を利用した開発を行う比率を上げたい会社に対し技術情報提供支援
③過去にプログラマーやSEとして働いていた中高年エンジニアや子育て後に復帰を望む女性等に対する人材育成支援

2.ホームページによる情報提供

①平成29年度に最終の運用体制を整備
②平成30年度以降は、ドメインを自主運用体制に変更し、情報を継続して提供できる体制を整備

 

 

本年度事業と関連したこれまでの取組概要・成果及び本事業との継続性

 

取組概要

本事業は、福岡県のIT企業を受注開発型システム開発企業から企画提案型開発ができる企業へと転進させることを目的としている。この目標を達成するためにモデル駆動型システム開発やアジャイル開発を県内企業に浸透させるとともにその中核となる人材育成に取り組んでいる。

【平成27年度】

平成27年度は、福岡県内のIT企業を対象とし、現在採用しているシステム開発手法や受注開発の実態を把握した。また、シンガポールのIT企業、IT教育機関を対象とし、アジャイル開発、モデル駆動型開発のトレンドや技術者育成カリキュラム、教育手法について情報を収集した。
その成果をもとに、主たる教材としてデザイン的思考が出来る技術者育成のための教材・指導書およびスピード感を持ったモデル駆動型システム開発を身に付けるための教材等を開発した。また県内IT企業にアジャイル開発を奨励するための教材なども同時に開発した。
実証講座としては、同年開発した教材等を利用し、福岡県内のIT企業等や沖縄県内のIT企業等の技術者99名を対象とした開催した。

【平成28年度】

平成28年度事業では、平成27年度事業の結果から、①アジャイル開発とモデル駆動型開発を体験し、スピード感のある開発力を身に付ける必要があること。②複数のシステム開発事例で発生する顧客からの改版要求を、モデル駆動型システム開発を用いてシステムの修正および、テストを繰り返すことで、アジャイル開発の一連の流れを理解することに対する要望が強く、この課題を解決するための教材を開発した。
また、これらの課題を解決するために県内IT企業およびベトナムのIT企業、教育機関を対象とした聞き取り調査を実施し、開発のための基礎資料とした。
実証講座は、シナリオ型システム開発講座として福岡県、沖縄県、富山県のIT企業の技術者27名を対象として実施。その結果から①最近の案件はモバイル対応が増えており、モバイルアプリに対応もテキストに入れて欲しい。②仕様変更のバリエーションを増やして欲しいなどの要望が寄せられた。

 

平成29年度には、①既存システムの異業態への販路拡大、改版時の要件分析手法を習得すること。②ある顧客向けに開発されたシステムを顧客からの要求や販路拡大のために、他の業種向けのシステムへ改版提案する手法を学習する。③既存システムの機能把握と他の業種の要求事項を分析し、効率よくシステムを改版するための提案方法を学習するための教材を開発することとしている。
このため、平成28年度に全カリキュラムの一部を抜粋して教材を作り、沖縄県のIT企業の技術者7名を対象としてサンプル講座を行っている。

 

開発された教育プログラム(又は教育カリキュラム)の内容

【平成27年度】

1.企画提案テキストの開発

企画提案テキストとしては以下の2点を開発した。

・ソフトウェア開発におけるデザイン思考の導入
・ソフトウェア開発におけるデザイン思考の導入 教員用

教材内容は、一つの事例に関して「調査・観察」→「課題発見」→「要求定義」のフローを深く学習する。「調査・観察」→「課題発見」を繰り返し行いそのサイクルを身に着け、質の高いビジネスプランを提供することを目的とした。

2.モデル駆動型開発の教育カリキュラムの開発

モデル駆動型開発を学習するための教材等として以下の3点を開発した。

・.モデル駆動型開発手法による業務Webアプリケーション開発 前編
・.モデル駆動型開発手法による業務Webアプリケーション開発 後編
・.モデル駆動型開発手法による業務Webアプリケーション開発 リファレンスマニュアル

教材内容は、販売管理をテーマとしてモデル駆動型開発を理解し、様々な機能追加をする中から開発手法を学ぶ作りとなっている。

【平成28年度】

1.シナリオ型システム開発教材の開発
シナリオ型システム開発を学ぶための教材は以下の教材を開発した。
・シナリオ型システム開発教材

教材内容は、既に開発されている従業員管理システムに対し機能追加することにより要求分析から実装までを体験的に学ぶことと従業員管理システムの機能を利用して顧客管理システムを開発することにより業態変化の要望から実装までの工程を体験的に学ぶ。

 

実証講座の実施状況

【平成27年度実証講座等】

1.システム開発技術講座

時期: 平成27年10月27日(福岡)
平成27年11月20日(沖縄)
対象・規模: 福岡会場21名、沖縄会場 22名

2.システム開発技術教員研修会(アジャイル開発セミナーとして開催)

時期: 平成27年1月25日
対象・規模: 22名

3.企画提案力養成講座

時期: 平成27年10月27日(福岡)
平成27年11月20日(沖縄)
対象・規模: 福岡会場21名、沖縄会場 13名

【平成28年度】

1.シナリオ型システム開発講座

時期: 平成28年12月10日(沖縄)
平成29年1月20日(富山)
平成29年2月15日(福岡)
対象・規模: 沖縄会場7名、富山会場4名、福岡会場 16名

2.改版提案グループワーク(トライアル講座)

時期: 平成28年12月10日(沖縄)
対象・規模: 沖縄会場7名